明治大学土屋学長による記念講演(明治大学の未来)

土屋恵一郎学長のプロフィール   

 ・1946年東京生まれ

 ・1970明治大学法学部卒、その後同大学法学研究科博士課程修了、助教授、教授、学部長を歴任               

 ・2016年より学長、専攻は法哲学。1990年「能-現在の芸術のために」芸術選奨新人賞受賞

 

土屋学長は専門の法哲学以外にも“能”の研究の一人者でもある。今回、能にも関連した観点から“明治大学の未来”について講演をして頂いた。

能の研究から“能と企業経営については、相通じるものがある。日本の企業は、継続という点で世界有数のポジションにあり、それが能とも関連している。能は、700年の歴史があり、今も引き継がれている。根幹を成すのは、”家“制度、家族経営である。単に守るだけでは、イノベーションを以って対応してきたからである。即ち、伝統を守る中で、どうすれば新しく、面白い、楽しいものにできるかを考えてきた。また、競争というものも常にあったことが700年の歴史を引き継ぎ、今日に至っている。

明治大学は、創立136年になる。日本の中でも歴史と伝統のある古い大学であるが、イノベーションなくして今後の成長も未来もないということになる。

日本の大学には、少子化の問題など多くの問題があるが、特に最近、文科省から“内閣の骨太の方針”に基づく、今後、都内23区にある大学の定員増は、原則として認めないという指針が出された。都心の有力な大学が実績を持つ人材の交流、地方の若者が東京で学び、地方に帰って活躍するようなことが阻害される。明治大学としても非常に苦慮している。

明治大学にはその他にも多くの課題、やらねばならないことがあり、改革改善を推進している。

・国際化

ASEANとの交流の強化;現在、タイ バンコックに“ASEAN Center”を校友会組織の協

力も得て設立している。東南アジアからの留学生が急増している。今後も推進の強化を計っていく。

・ブラジルとの交流;現在、計画準備中でアニメをベースにした“Cool Japan”をブラジルに作る方向で進んでいる。すでに、ブラジルとの交流は、早稲田、東海大、阪大などが先行してるが、対応していきたい。ここでも校友会が重要な役割を担ってもらっている。

・北京大との連携; 北京大学の中にアニメの図書館の分室を設置している。日中の厳しい状況下でも、アニメのフォーラムは非常に盛況であった。さらなる発展が期待できる。

今後は、北京大学に限らず多方面で日本の漫画、アニメの発信力は、新たなコンテンツ、産業としても極めて重要な要素であり、明治は強化を計ってゆく。

・難民(留学生)の受け入れ

国連との連携も行って留学生の受け入れを進める。今回国連の事務総長のグーテル

ソン氏と面談ができ留学生受け入れの件を話すことができた。

国連での活動人員は、日本は非常に少ない。

 

明治大学からニューヨーク市立大学への留学者も増加しており。これらの対応を強化していきたい。

・大学スポーツ

かっての大学スポーツは、野球では優勝すると提灯行列で神宮から駿河台まで多くの人が加わったが、今や100名程度、ささやかな行列になった。 

ラグビーも6万人を超える観客が集まったが、今や3万人程度。大学スポーツの復活のためにスポーツアドミニストレータ(横浜ベースターズ活性させた池田淳さん)を招聘して復活をさせる。学生が身に行くスポーツにする。

 

・大学の改革へ向けて。

受験の格付けは、早慶があって、上智、中央(法)、その下にMARCHになっているが、すでに明治は、上智、中央(法)のランクまでに上がっている。さらにTOP校になるには資金が必要。

寄付金(年間)は、慶應は90億円、早稲田は40億円、明治は5億円この差は、大きく、早慶と並ぶには、なくてはならないのは、資金である。これまで述べてきたように、いろんなイノベーションを行うには資金が必要になります。校友各位にぜひとも資金の援助をお願いしたい。

 

明治大学を日本のTop校にしたいのです。

昭和45年 工卒 森岡 達 (記)